山の上の老人ホームでの実習。
他校の看護学生との出会いにドキドキした日々。
「双子みたいだね」って言われた一言と、
交わされなかった会話の余韻が、今も心に残っています。
看護専門学校時代、山の上にある老人ホームでの実習があった。
そこでは、他校の看護学生たちと一緒に実習をすることになっていて、
見慣れない男女混合のグループに、いつもと違う緊張感があった。
そのとき、ひとりの男の子にこう言われた。
「そこの女の子と、双子みたいにそっくりだね」
えっ?と少し驚いて隣を見ると、たしかに似ている…ような、似てないような。
でもその言葉にちょっぴり照れながらも、
「双子って…なんか嬉しいな」と思っていた。
数日後、電車通学の途中で、その男の子と偶然再会した。
向こうは、ニコニコと笑顔を向けてきてくれた。
でも私はその瞬間、
「誰だろう…」と一瞬わからなくて、反応できずにしまった。
結局、
お互いに声をかけることはなかった。
あとから、「あのとき、声をかけてくれたらよかったのに…」なんて
心のどこかで思っていた自分がいた。
実習先の老人ホームには、テレビの取材が来ることもあって、
そのとき私はなんとインタビューを受けた。
カメラの前で受け答えするのは少し緊張したけれど、
“看護学生としての今”を話すその時間は、不思議と誇らしくも感じた。
出会いや偶然、そして日々の中にあるちょっとした感情。
そのすべてが、
いまの私の“看護のたね”になっている。
🌸ひとことメッセージ
声をかけなかったあのときの沈黙も、
たしかにあったひとつの出会い。
忘れられないまま、そっと胸にしまっている。

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