高校時代、体操着姿で登った金比羅山。
仲良しの友達と笑いながら、階段の途中でおやつを食べたり写真を撮ったり…。
その場所が、のちに人生の節目になるなんて。
ひとつの思い出が、そっと未来とつながっていました。
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私服ではなく、体操着姿での登山。
ちょっと恥ずかしいような、でもみんなおそろいだから気にならない。
リュックを背負って、おしゃべりしながら向かうバスの中は、まるで修学旅行のような楽しさに満ちていた。
一緒に登ったのは、いつも一緒にいた4〜5人の仲良しグループ。
写真を撮り合いながら、笑い合いながら、
ときには「ちょっと休もうよ〜!」と座り込んだり、
階段の途中で見かけたお土産屋さんをのぞいたり。
そんな寄り道すら、全部が宝物みたいな時間だった。
その中にいたのが、かおりちゃん。
真面目で、ちょっとおっとりしてて、
でも何気なく私の話を笑って聞いてくれる、優しい友達だった。
石段を登りきったとき、目の前に広がった空と景色。
あの達成感と、みんなで交わした「やったね!」の声。
それが、まさか私の人生の節目と重なる場所になるなんて、思いもしなかった。
年月が過ぎ、私は金比羅山の神社で結婚式を挙げることになった。
当時の仲間にも声をかけたけれど、
かおりちゃんは都合がつかず来ることができなかった。
でも式の当日、アナウンスの方が読んでくれた1通の手紙があった。
それは、かおりちゃんからのスピーチ代わりの手紙だった。
「純花ちゃんがあの日登った石段を、
今は白無垢で登ってるんだね」
そう書かれていた文面に、思わず胸がいっぱいになった。
あの頃、笑いながら登った坂道。
未来の私は、同じ場所で人生を誓っていた。
ただの遠足が、
私の心に残る“看護のたね”のひとつになっていた。
■ひとことメッセージ
あの日の石段は、ただの遠足の道。
でも、いま振り返ると、
私の人生をそっと導いてくれた道だったのかもしれません。高校時代、衛生看護科の仲良しメンバーと一緒に出かけた遠足。
その行き先は、香川県の象徴でもある金比羅山だった。


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