これは、わたしが“看護の道”に出会った日のお話です。
今振り返ってみると、あのとき心に芽生えた小さな思いが、
その後の人生を大きく動かす「たね」になっていたのかもしれません。
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中学3年生のある日、近所の准看護師学院の先生が、
進路紹介のために私たちの学校へ来てくれました。
「看護師が不足しているんです」
というその言葉が、なぜかとても心に残って。
衝撃だったのは、そこで見せられたお産のビデオでした。
画面いっぱいに映し出されたのは、
赤ちゃんが命をもってこの世に生まれてくる、
その“瞬間”そのものでした。
驚きと、衝撃と、でもどこか目が離せない感覚。
“自分にできるだろうか”
でも、“もしできるなら…”
そんな思いが、静かに心に芽生えたのを覚えています。
その後、母に相談したような気がします。
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当時の私は、地元で一番難しいと言われていた公立高校を目指していました。
でも、そのすべり止めとして、私立の衛生看護科も受験していたんです。
結果は、
公立高校は不合格、衛生看護科は合格。
大好きだった人と同じ高校に行けなくなったことで、
心がぽっかりと空いたような気がしていました。
そんなとき、私をあたたかく迎えてくれたのが、
衛生看護科の先生でした。
どこかクッキングパパに似た先生で(笑)
私の成績を見てこう言ってくれたんです。
「これなら、特進クラスに行けたよね」
「看護科に来てくれて嬉しいよ」
その言葉に、救われた気持ちがしました。
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もしかしたら、公立高校に進んでいたとしても、
私はいずれ、看護の道を選んでいたのかもしれません。
でも、あのとき、
「わたしが看護師になれば、少しは人手不足の力になれるかもしれない」
そんな思いで進んだ道が、
今の自分へとつながっているんだと思います。
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【最後のひとこと】
あのとき芽生えた気持ちは、
誰に見せるでもない、小さな“看護のたね”でした。
でも、
そのたねは、ちゃんと私の中で育っていた。
今、こうして書きながら、
あの日のわたしに、静かにありがとうを言いたくなります。

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